Turmeric ターメリック
「カレーの中の薬箱」とも言われるスパイス、それはターメリック。その効能から古くから重宝されているこのスパイスがまた注目を浴びているようで、この冬アメリカのコーヒーチェーン、Peet'sではこのターメリックを使ったGolden Caffe Latteというラテが期間限定でメニューに登場しました。
ミルク部分が黄色いの、この写真からでもわかるかな。ターメリック、ジンジャー、ハニーが入ったラテで、私は少しはちみつを少なめにしてもらいました。アメリカだし、チェーン店だし、スパイスは万人向けにちょっとマイルドになっているのかなと想像したけど、そんなそんな。とってもスパイシーなラテでした。4月になっても雪がちらつく今日のシカゴのような日にぴったり。
このターメリック、日本語ではウコン。そう、飲む前に飲むでおなじみ、お酒を飲む前に飲むと良いイメージの強い食品です。飲酒前の摂取が良いのは肝臓の働きを助けるからなのですが、飲酒だけに良いのではなく、肝臓の働きを助けることは体全体の健康にとってもかなり良いことなんです。
肝臓の働きは、食物からの栄養を体内で使える形に変えて貯蔵して必要なときにエネルギーの元として供給する「代謝」、アルコールや老廃物などの有害な物質を分解して体に影響を及ぼさないように無毒化する「解毒」、それに「胆汁の生成と分泌」で肝臓でつくられた老廃物を流し、この胆汁はまた脂肪の消化吸収を助けます。
ウコン、沖縄ではうっちんと呼ばれてうっちん茶なるものもあります。沖縄の人たちが長生きなのはこのウコン、ターメリックのおかげかも?
”Turmeric - Curcuma Longa”
*味ー辛み、苦み
*エネルギー ー温性、燥性
*利用部分ー地下茎
*作用
ーAnalgetic(鎮痛性)
ーBlood mover(血液を循環させる)
ーCholagogue(胆汁分泌促進薬)
ーAntioxidant(抗酸化)
ーAstringent(収れん性)
ーCarminative(ガスを排出する)
ーAnti-imflammatory(抗炎症性)
ーHemostatic(止血性)
ーVulnerary(傷を癒す)
ーAnti-spasmodic(抗けいれん性)
*利用効果(たくさん!!)
① Digestion and the liver 消化と肝臓の働きを助け、下痢の症状にも良い。
② Heart health 血液の循環をサポートし、体を温める。
③ Immune support 風邪やインフルエンザ、抗ガンにも良いとされている。
④ Musculoskeletal strength and flexibility 筋骨格を強くし柔軟にする。
⑤ Nervous system 痛み止め、それにアルツハイマーにも良いとされている。
⑥ Wound healing and healthy skin 収れん性や止血性があり傷口の止血にも。
⑦ Diabetes and menstruation difficulties 食物からの糖分を血液に送りこむのを抑制し血管のコレステロールの蓄積を抑制することで糖尿病予防に良い。抗けいれん性があるので生理痛に良い。
*使い方
料理、パウダー、チンキ、ティーで。
また、3%分のコショウを合わせることで、ターメリックの効能が最大限に引き出されるそう!
追記(2020.6.25)
今読んでる本、”How Not To Die"によると、ターメリックの成分クルクミンは、 in vitro(実験室内)での結果ではあるけれど、抗がん効果あるという研究結果があります。
がんの予防には、発がん性物質をブロック、抗酸化、抗増殖の3種類あり、クルクミンはその3つの性質をすべて持つ唯一の物質なんだそうです。
また、がん細胞内のタンパク質分解酵素カスパーゼを活性化してがん細胞を内から直接殺傷する能力もあるのだそうです。
この本では肺がんの章でクルクミンの説明がありますが、in vitroでの結果では、肺だけでなく、乳房、脳、血液、腸、膵臓、肝臓、皮膚のがんにも効果がある研究結果が報告されています。
参照
"How Not To Die" by Michael Greger, MD